【創造的休暇】ものの命は、人の命よりも長い

2021年10月14日

投稿者: naramachiyado


「紀寺の家」は、

100年余の歴史を刻む建物です。

 

5棟の町家群を修復したそこには、

独特の時間が流れていると思います。

 

その理由を少し考えてみました。

 

修復するという行為は、

実は、非常に時間と手間がかかります。

 

いっそのこと、

解体し、建て直してしまった方が

効率良く建築物はできてしまいます。

 

しかし、私たちは、古き良き建物を残す活動を続けています。

 

なぜなら、

そうやってこれまでも誰かが守ってきたからです。

 

建物を残すということは、

風景を残すことにつながると思います。

 

それを先人たちが成してくれたおかげで、

時空を超えた奈良町の邂逅体験を

私たちに与えてくれました。

 

 

「紀寺の家」では、

長きにわたり生き続けている建物の呼吸を

感じていただけると思います。

 

使い込まれた床、

撓んだ木材、

圧倒的存在を放つ梁……。

 

経年による老いは、

深みを増し、

美しい空間を形成しています。

 

つまり、ここには、100年前の時間が残っているのです。

 

いつか、私たち人間は死を迎えてしまいます。

 

しかし、建物は、その後も生き続けていくでしょう。

 

これから私たちにできること。

それは、

正しい人に正しく

この建物を引き継いでいくことだと考えています。

 

これから先、この建物には、どんな未来が待っているのだろうか。

 

未来を創造するということは、

過去を振り返るきっかけにもなると思います。

そんな両輪的発想から何が生まれるのか。

 

ものの命は、人の命よりも長いです。

 

100年後も

「紀寺の家」が建つ奈良町の風景を創造しながら、

今日もまたお客様をお迎えいたします。

 

ほんの少しでも「創造的休暇」を感じるようなことがあれば、

こっそり私たちに教えていただけたら嬉しく思います。

 

写真:「通り庭の町家」
撮影:okuyama haruhi

カテゴリー:紀寺の家