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【創造的休暇】再び、考える 

21.09.16

時は、17世紀。

かの有名なイギリスの学者、
アイザック・ニュートンが学位を取得したその時代、
人類を脅かすパンデミックが起こりました。

感染症、ペストです。 

中世ヨーロッパにおいて多くの命を奪ったと言われるそれは、
「黒死病」として恐れられ、社会崩壊をもたらしました。

ロンドンでの1665年から1666年にかけての流行により、
ニュートンが通う大学は閉鎖。
ニュートンは、故郷、ウールスソープへと避難します。

自由な思考で過ごすことができた時間は、
ニュートンにごく当たり前の風景への疑問を抱かせます。

それは、庭にある木から落ちるりんご。
りんごは落ちたように見える。
しかし、実は落ちたのではなく、
地球に引っ張られたのではないか。

そして、りんごも地球を引っ張っているのではないか。
「万有引力の法則」の着想です。

それをきっかけに、ニュートンは、
3つの運動法則とされる力学、数学、光学を発見し、
「3大業績」として、歴史に刻まれました。

これらは全て、故郷で過ごした18ヶ月間のことであり、
その期間は「創造的休暇」と呼ばれています。

 

2020年、人類は、再び難局を迎えました。

日本のみならず、世界中で奪われた日常は、
まるでその時と同じだったのではないかと思います。

今こそ、ニュートンのような思考が必要なのではないでしょうか。

当たり前だと思う風景、もの、こと、人などを、
少し違った視点で見てみる、
聴いてみる、
嗅いでみる、
味わってみる、
触ってみる、
考えてみる、
感じてみる。
ゆっくりと、
じっくりと、

時間を享受することによって生まれる自己との対峙。

そこから何が紡ぎ出されるのか。

それはお客様次第です。

「紀寺の家」で過ごす、「創造的休暇」。

 

※文中で紹介した逸話は、諸説ある中のひとつです。
予め、ご了承ください。

写真:春日山原生林
撮影:okuyama haruhi